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ラピスラズリブルー

陸奥宗光とその時代

以前一読した本をもう一度引っ張り出しました

陸奥宗光とその時代_d0338347_08112639.jpg
岡崎久彦さんの著作に集中して読み込んだことがあります
岡崎氏の祖父 岡崎邦輔は陸奥宗光と従兄弟同志
岡崎久彦さんのTVでの講演はとても説得力があり注目していました

日本の帝国主義 大陸への進出について 当時の世界情勢から説き起こし 当時の日本の戦略を現代の常識で判断してはならないと説かれていたのがとても印象に残っています

明治維新により幕藩体制から脱した日本は 西欧諸国からの帝国主義的侵略を撥ね退け 富国強兵路線により国の拡大興隆を図ります
当時は 工業生産の成果物を売りつける植民地を持つことが国の繁栄の必要条件 更には資源不足の狭い国土を大陸に拡げることが不可欠であったことは 誰しもが認めること
先ずは開国が遅れた朝鮮を自らの勢力圏に囲い込もうと動き始めたのが征韓論 隣国を自国の繁栄のために侵略することが褒められることではないのですが 阿片戦争により英国が清を食い尽くし 諸外国の矛先が日本へも向けられようとしていたことも事実であり 局面打開に征韓を目指したことは 当時の維新政府の必死の生き残り戦略であったと分析します

薩摩長州を中心とする維新政府の中で 外交分析と実務能力の高かった陸奥が 只管大陸侵攻に傾注していったことを 我々は高く評価しなければならないと思います
ロシアはウラジオストックに続く第二の不凍港を求めて必ず南下政策を進めるであろう 実力のない清の下に朝鮮を任せておけば ロシアは必ず南下し満州に留まらず朝鮮へも手を伸ばしてくるだろう だから日本は朝鮮に特殊利益を求め清国と戦わねばならない 兎に角あらゆるきっかけを利用して清国と戦わねばならない 

維新前から陸奥の時代にかけて インドムガール帝国 トルコオスマン帝国 そして清国に対して 西欧諸国はどのような形で帝国主義的侵略と植民地化を進めて来たか
始めは 通商を求め 低い関税により輸出攻勢をかけ 国内産業を壊滅させ 植民地化を進める 
明治維新後 日本の生き残りの道を 帝国主義的な大陸への進出に求めたことを否定出来るであろうか 

陸奥は日本の実力・軍事力の限界を良く認識し 三国干渉をいち早く受け入れた決断も見事であり それ以降の次世代が 世界情勢の変化や自らの限界を過信し 全世界を相手とする無謀な世界戦争に自ら飛び込んで行ってしまった事実との違いが何処から生じたのか 歴史から学ぶことが我々に課せられた課題と考える次第です 


by toshi-ohyama | 2017-10-15 07:08 | 幕張図書館 | Comments(0)
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