吉本興業創業者 吉本せいのTVドラマ化 朝の連続ドラマが評判のようです 本屋の店頭は 来年の大河ドラマ 西郷(せご)どん と 吉本せいの関連本が大行列です
サラリーマン時代 6:30出勤の私には朝の連続ドラマは縁がなく 今回も観ては居りません
吉本せい と云えば 矢張り山崎豊子の「花暖簾」でしょうか 中学時代か高校時代か 若き日に読み耽った記憶があります
今回は 矢野誠一の作品を選びました
何方かと云うと 登場人物への愛情たっぷりな矢野誠一が 吉本せい に対しては 可也冷たく筆を走らせていますエンタツ・アチャコや 桂春団治への熱き想いと比べると 完済芸能界への功績は認めるものの 強烈なやきもち焼き 吝嗇など彼女の裏面を暴き立てている感があります笠木シズ子の夫は吉本せいの次男坊であったこと 更にはエンタツ・アチャコの漫才コンビは昭和6年から昭和9年の僅か三年九か月しかなかった(映画だけはその後もコンビを続けた) 更には彼らのコンビ解消は吉本せいの戦略だった等々 新たに知ったエピソードも数多く発見しました
晩年 せい が全ての功績を自分のものに仕立て上げていく様は 「成り上がりもの」に多くみられると 冷酷な批評も付け加えています
「花暖簾」を 強烈に意識しての評伝であるのかもしれません