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ラピスラズリブルー

ホタル帰る2

鳥浜トメさんの話を石原慎太郎が脚色して映画化した作品

ホタル帰る2_d0338347_15244997.jpg
この映画は 鳥浜トメさんの口述による「ホタル帰る」 高倉健主演映画「ホタル」とも 一部違いがあります
現地の富屋旅館(今は記念館で管内撮影禁止)には 宮川三郎軍曹がホタルになって戻ってきた時に柱の上部に止まったとされる場所が矢印で示されていました
この映画の中では ホタルは富屋の庭先に戻ってきます
自らが朝鮮人であることをトメさんに話し アリランを唄った情景も少し本とは違います
石原慎太郎が脚本化したのは ドキュメンタリーではないのですから仕方のないことではあります

私が注目したのは 劇中の大西瀧治郎の言葉
特攻は無駄死にではないのか 帰還出来ない体当たり作戦はやってはならない作戦ではないのかと部下に問われ「日本は負ける 敵が上陸してこようとしている今 戦況を少しでも押し返し 日本人の矜持を示し 少しでも有利な終戦に持ち込むための必要悪だと云い切ります そして彼はその責を負うて割腹します
国体護持のため特攻作戦を完遂すると述べる大西に 部下が国体とは何ぞやと問うと「国体とは 日本という国家、民族の意思である」と大西は答えています
当時 国体を明確に定義付けることが出来る人はどれだけいたのでしょうか 天皇陛下イコール国体とのイメージを国民に押し付け 自らの権力闘争の武器とした連中の多さ そして終戦後 保身に明け暮れるものの悪あがきを醜態として記憶し 大西の云う国体が実体のないものだったことを感じます

君たちは神だと煽てあげ 俺たちも後から行くと云いながら自分たちは生き残る上官達 整備不良と帰還する特攻兵を卑怯者となじり無理やり又特攻に追いやる上官
本土決戦のためと程度の良い飛行機は本土に残し 敵戦艦のいる沖縄沖まで飛ぶことも難しい整備不良機を錬度の低いまま送り出す 様々な矛盾を展開していきます

特攻は志願ですか 命令ですか と問われ 大西は「志願という名目の命令でなければならぬ」と答えます
大西の思いは一つの主張でしかなく 実体として大西が守ろうとした日本人の矜持は ごく一部の日本人にしか存在し得なかったと思わざるを得ません

それでも 後に残された我々は 戦争の記憶を語り続けなければいけない 決して忘れてはいけない そう思います






by toshi-ohyama | 2018-02-26 08:25 | Comments(0)
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