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ラピスラズリブルー

妾屋という職業はあったのか

平成23年9月初版を買ってそのままにしていたので7年間積読状態でした
既に全8巻完結していますので 一気に読めます

妾屋という職業はあったのか_d0338347_08352449.jpg
著者はどうやら最近 著述業専業となったようですが 大阪で歯科医を開業し もっぱら夜を著作の時間に充てていたと聞きます
後発の歴史小説家なので 過去の著名な作家が手掛けていない題材を扱うことが肝要とも話されています
妾専門の口入業という職業があったとは思い辛い部分もあります

上田秀人氏の作品は どれも江戸の生活を詳細に解説してくれます 腹芸-裏の裏を読む心理描写は 彼の真骨頂です
歴史小説に詳しい読者でも 話の進展が読み切れません 思わぬ展開に引き込まれ夜更かしをしてしまいます
現役のうちは 往復通勤の貴重な睡眠時間を割いての切れ切れ読書でしたが 自由人となって 翌日を気にせず読み続けられる幸せ 爽快な読後感を味わっています

妾屋昼兵衛 女帳面は全8巻 足掛け4年で書き上げたようです 佐伯泰英程ではないとはいえ大変な早さです
途中巻一巻でも読み切れるよう 各巻の冒頭に此れ迄の話の流れを簡潔に纏めたり工夫の跡も読み取れますが 吉原の仕組み 武士の暮らし等々 蘊蓄が何度も繰り返されるので 上田秀人の愛読者には些か煩わしさも感じられます
相変わらずの話の展開の意外さはお見事です 読者の思わぬ方向に話が進み 一冊読み切るまで途中で本を閉じられません

妾屋という稼業は実際に有った 井原西鶴が好色一代女に記述していると巻末に著者自身が書き込んでいます

実は 上田秀人も 余りの多作からか 書き違えをしています
妾屋の商売道具で一番大切な顧客帳が 第6巻312頁で吉原西田屋の手で盗まれ 店は付け火で全焼してしまいます
その後も話は展開が続き 顧客帳は 主人公昼兵衛の手元にあるように書かれ 話が続きます
並行して何本も書いている中での事故のようなものですが... 

妾屋という職業はあったのか_d0338347_06305407.jpg


by toshi-ohyama | 2018-06-01 06:24 | 幕張図書館 | Comments(0)
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