葉室麟 黒島藩シリーズ第二巻
主人公 萩 澪の住む屋敷の門前に 夫 蔵太が植えた紫草の白い花と 額田王の「茜さす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る」に大海人皇子の返歌「紫のにほえる妹を憎くあらば 人妻ゆゑに吾恋めやも」の歌をかけ主人公たちの関係を匂わせる 著者らしい中々凝った仕掛けです
因みに 天智 天武 額田の関係についての 具体的な資料は何もないのだそうです昔から3人は三角関係にあったとの通説がありますが証拠はありません池田弥三郎 山本健吉は この歌は 宴席でしかも天智が同席の場で歌われたのではないかとの説を唱えています
葉室の小説に少し慣れてきましたので どんなどんでん返しがあるのかとワクワクしながら読み続けました「鷹の羽」という劇的な秘剣も登場します お愉しみに