隆 慶一郎は 小林秀雄の弟子だそうです
昭和23年 東京大学仏文を卒業した隆は辰野隆の定年記念パーティに挨拶にやってきた小林秀雄(当時 創元社の重役だった)に「先生の処で働きたい」と申し出ます
小林は「いいよ 明日からおいで」の二つ返事で 隆は創元社の編集者となります
小林が亡くなったのは昭和58年 隆の処女作「吉原御免状」は 昭和59年に刊行されます 小林の眼が黒いうちは小説を書かないと誓っていたのだとか
前田慶次郎に関する資料は 余りないのだそうですこの小説の資料となるのは 慶次郎本人の「道中日記」だそうです「バサラ」の姿を 存分に描いたこの作品は 何処からが史実で 何処が創作なのか 判然としません長編ながら 読者を飽きさせない 傑作と思います