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ラピスラズリブルー

大隈重信

著者の伊藤之雄氏は 1952年生まれ 京都大学出身 山縣 伊藤をはじめとする 主に明治期の元勲の伝記を数多く手がけています

大隈重信_d0338347_13125101.jpg
大隈重信という政治家については 明治14年の政変で 非常に不可解な失脚をした政治家との印象が強くありました
二度内閣総理大臣を務めていますが 何といっても加藤高明外相による対華二十一か条要求で 日本を戦争に追い込んだ元凶としての印象が強い
類まれなる能力を持つ政治家であり教育家でもあるのですが 今回この著作を通じて 薩長藩閥政治に対抗するためポピュリズム的手段も活用して 政治闘争を続けた人物との認識を持ちました
ある意味で ポピュリズム政治家の先駆けとも云えそうです
彼の持論は海外貿易による経済発展と小さな政府構想 
帝国主義的欧米列強の世界的規模での争いが ウィルソンの民族自決宣言により様相を大きく変えつつある時代に 時代の流れを読み切れず 日本の生き残り策を
明確な形では持ち得なかった政治家と感じます

大正期の政党政治の離合集散の歴史は 幾ら読んでも理解し難いものでしたが この本を読み 納得した点が多くありました
伊藤 山縣 松方等の薩長閥統帥者たちと反閥統帥者とが その権力闘争の手段として 憲法 帝国議会を利用し ヘゲモニー獲得の為に政党という名の権力手段を 自らの都合の良いように組み替えていったのが 戦前の政党政治だったと理解を深めました
この意味で 大隈個人に対する興味より 政党政治の流れをつかむのに有益な書でありました



by toshi-ohyama | 2019-09-14 06:29 | 幕張図書館 | Comments(0)
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