著者の大杉一雄氏は 日本開発銀行に勤務された実業界の方 歴史研究家ではありません
1996年に刊行された「日中十五年戦争史」を改題し講談社学術文庫から2007年に再刊されています満州事変からトラウトマン工作後の 1938年1月16日 近衛首相の「爾後国民政府を対手とせず」との声明により 日中全面戦争に突入するまでを綴っています著者の私見も大胆に書き込みながら 何故日本が奈落への地獄道を下って行ったのかを検証しています「日中両国のfar sighted な政治家が出現していたら」という一言が 364頁に掲載していますが 組織のトップに立つ者の判断力 決断力 行動力がいかに重要か再認識させてくれる 読み応えのある一冊です