国盗り物語 後編 織田信長
後書きに 当初 司馬さんは 斎藤道三のみを書くつもりでサンデー毎日に連載したと書き綴っています
編集者の誘いで 後編を書いたそうですが 主人公は織田信長というより 明智光秀です
光秀の出自を 土岐の末裔 濃姫の従兄妹としていますが 史実かどうかは不明です
司馬さんは 信長は天下を目指すが 天皇家を潰すところまで考えてはいなかった 天下を取りを目指すのは 庶民の安寧な生活を願ってと書いていますが
これは 些かこじ付けのように感じます
極端なリアリストであり 既存の権威はすべて否定していく先に何があったのか 司馬さんにも読めなかったようです
若き日に二度読破した記憶はありますが 殆ど忘れています
若き日は 全て史実と思いつつ 仕事のヒントを探しながらの乱読でした
古希を超えると 司馬さんの筆致を追い掛け 歴史から小説を生み出す巧みさに感動を覚えました