オール読物の企画で 7人の作家に長谷川平蔵に係る小説を競作させようという目論見です
逢坂剛の平蔵三部作を更に展開してみたという代物です
池波正太郎が作り上げた鬼の平蔵の世界をなぞるのではなく 作者自身の長谷川平蔵の世界を書き上げてみて欲しいという 編集者にしか思い付かぬ企画最後に 行けなきの作品も収録されていますが 矢張り「世界を作り上げる」という意味では 池波の手腕が図抜けて大きいことが 誰にでも感じられると思います上田秀人には 大きな期待を以て読み込みましたが 長谷川平蔵一代記でお茶を濁した様な所もあり...でした映画や TVの世界ではシリーズ物がネタ切れになって行くと 主人公の周辺にいる助演者にスポットをあてて 一巻完結物を作り上げていく手法があります今回は 敢えてそのやり方を取らなかったところに 作家としての矜持を感じました