高橋克彦の陸奥四部作 二作目は 火怨(かえん) 本来「かえん」であれば「火焔」 蝦夷の怨念という意味を込めての付題と思います
京都清水寺の境内に アテルイの碑があります 建立されて 未だ間もない碑ですが清水寺建立者 坂上田村麻呂にちなんで建てられたようです
前作で 伊治呰麻呂が 陸奥按察使兼鎮守副将軍 紀広純を殺害(宝亀の乱)した後の蝦夷と朝廷との抗争を 蝦夷側から綴っています
宝亀の乱から22年間 蝦夷は一度も朝廷側に仕掛けることもなく 一度も負けることなく
抗争を続けます 此れが史実であれば 聖武天皇の御代に蝦夷地で黄金が発見され 朝廷は蝦夷から収奪を繰り返します まるでアメリカ西部開拓史のような様相です
前作には 地図等の説明図が附いていましたが この作品にはありません
風の陣もしくは 炎立つの附図を参考に読まれると理解が進みます
宝亀の乱から