昭和56年に中央公論社から発刊された一冊の本が 令和二年に文庫本として再刊されました
私にとって昭和56年は コンピュータ会社の担当営業として 丸の内仲通りを飛び回っていた時期です
三島由紀夫の自決は 大学3年の秋 大学生協のTVで中継があり釘付けになったことを今でも鮮明に記憶しています 音声はなく バルコニーでこぶしを振り上げ何かを叫んでいる姿が大写しになっていました
その後 ソノラマシートで三島の肉声も聞きました 配布された檄文も読みました 就職した会社で新入社員引率で5年間自衛隊富士学校を訪問し 三島が体験入隊で世話になり愛した自衛官と一緒に仕事をしたこともあります 今も三島の行動から逃れられない心境が続いています
徳岡孝夫氏は 三島から当日市ヶ谷に来るように指示され 直接会うことはなかったようですが 檄文を渡され 遺書を託された毎日新聞記者です
ドナルド・キーン氏も三島と交流のあった方
この作品は 二人が三島の作品の原点を訪ねる紀行文ですが お二人が話題にされる小説を私は殆ど読んだこともありません
若し この本に当時巡り合っていたら 私の読書遍歴は違うものになっていたかもしれません 私の人生自体も変わったものになっていたかもしれません
衝撃の一冊です