隆慶一郎作品の中で おそらく発刊されている文庫本で唯一読み残していた上下巻2冊
1は柳生 美醜の剣 2は縁切り 女の無常 と名付けられ 何れも1989年に亡くなる著者晩年の作品です
隆の作品は どれもドラマチック 例えば 徳川家康は関ケ原の初戦の頃に忍者に討たれ それ以降の家康は 影武者だった世良二郎三郎元信 関ケ原以降に生まれた五男義直 頼宜 頼房は 世良二郎三郎の子であるとの仮説から見事に時代を説明し切ります
彼の筆にかかると本当にそうだったのではないかと思えるほどの構想力 劇的で読者を虜にしていく作風 稀代の小説家 劇作家であったと思います
第一巻の柳生新陰流にテーマを取った短編は 剣道を知らない素人にも場面を思い浮かべることが出来る圧倒的な筆致
第二巻は 江戸中期の女性を巡る事件を圧倒的な展開力で読者を引き込みます
愉しませていただきました