辰巳栄一

吉田茂の軍事顧問とのサブタイトルが付いています

保阪正康の「後藤田正晴」から派生して　辰巳栄一の史伝にまで読み進みました

昭和３９年秋　引退した吉田茂の大磯邸に辰巳が呼ばれ訪問すると「辰巳から提言のあった再軍備計画を否定し　憲法改正（第９条）をしなかったのは　私の間違いだった」と吉田が辰巳に謝る光景が綴られます

辰巳の肩書に　吉田茂の軍事顧問とあり　戦後　自衛隊創設に携わったともあります

更には　現在の内閣調査室の前身ともいえる「辰巳機関」の創設者でもあるようですが

正直なところ　この著作から正確な全貌は掴みきれません

戦前　英国駐在武官として駐英大使吉田茂との交流があり　日米開戦に強く反対したともあります

戦後　ＧＨＱが日本の再軍備　極東アジアにおける米国駐留軍の肩代わりを求められた時に　服部卓四郎が再軍備の計画を立てます　辰巳は吉田の側近として吉田に助言を与えながら　警察予備隊編成に係り合っています　此のときに服部と交流があったことは間違いないのですが　その関係はかなり複雑で　旧日本陸海軍生き残り幹部たちの権力闘争の様相を呈しており　詳細は良くわかりません

辰巳が　一番敬愛した先輩は　同じ佐賀出身の　武藤信義元帥　本間雅晴中将だったそうです

買い置いた角田房子「いっさい夢にござ候」への道筋を付けてくれました