人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ラピスラズリブルー

額田王の謎

額田王の謎 梅澤恵美子著
額田王の謎_d0338347_08511244.jpg
著者梅澤恵美子氏について 東京都生まれ以外に殆ど情報がありません 歴史研究者としては関裕二氏と近い関係にあるようです
2003年8月第一冊を購入していますから 17年程書庫に埋もれていました 当時は古代史の知識も乏しく 額田王と持統天皇を混同していたほどです

出雲史に造詣の深い先輩からの教唆もあり 律令制国家成立前後の研究を重ねて来ました
ある程度 古代史の裏表を学ばないと この本の説くところが明確に浮かび上がっては来ません
この著作の中で取り上げている旧事本紀(くじほんぎ)は江戸時代本居宣長が偽書であるとされますが 近年序文のみが後世に付加されたとの反証が為されています

梅澤氏は額田王は物部氏の出身としています
物部氏は スサノオの子であるニギハヤヒを祖としており 三輪山に拠点を置く出雲族であった

天皇家は九州に起こり 神武の時に東征し生駒側からヤマトに入ろうとする ニギハヤヒは神武への国譲りを了承するが 土着のナガスネヒコが頑強に抵抗 神武は熊野側からの大和入りを果たす ナガスネヒコはニギハヤヒに討たれる

饒速日は 天降りのときに与えられた王権の象徴である十種神宝(トクサノカンダカラ)を与え 神武は ニギハヤヒの娘 伊須気余理比売(いすけよりひめ)の婿として迎えられる 継体の皇位継承の時にも同じ形で婿入りが行われている


物部氏は ニギハヤヒの時代から祀りと財力(軍事力)を持ち 物部の力で天皇家は共同統治のヤマトの権力を保持していた
額田王は 物部の出身で 最初に大海人と結ばれ十市皇女(葛野王の母親)を設ける
後に天智の后となるのは 大海人と中大兄の権力闘争に巻き込まれたことによるものと推定される
近年の研究では 中大兄より大海人の方が年長であったとの説が主張されている

即ち
即ち 物部 蘇我 天武と 藤原(中臣)天智 持統の 権力闘争の渦中にあったのが物部一族の額田王であったという主張です
天皇家と婚姻を結び権力維持を図った藤原氏の政略は かつて物部(蘇我)が執っていた婿取りの政略と同じものであったという主張は
古代史を解き明かす有力な説となりそうです
 



by toshi-ohyama | 2020-07-30 06:39 | 幕張図書館 | Comments(0)
<< AMARETTI 遠縁の女 >>



蒼き空を目指して

by toshi-ohyama
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
最新のコメント
> 杉下さん 昨日 整..
by toshi-ohyama at 06:52
頑張りましょう。 私も..
by 杉下 at 09:43
何とか 完読しました 実..
by toshi-ohyama at 06:38
失礼致しました 掲載写真..
by toshi-ohyama at 07:15
茅ヶ崎店の写真がさかさま..
by 杉下 at 10:22
田賀陽介
by 阿部六郎 at 21:05
東條英機
by 東條英機 at 21:05
正倉院
by 正倉院 at 21:14
岩崎良三 荒張裕司
by 荒張裕司 那須どうぶつ王国 at 21:13
近衛秀麿
by 永井麻央 at 12:12
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ブログパーツ
最新の記事
70周年
at 2024-10-05 05:16
だし茶漬け
at 2024-10-04 06:06
やっぱり
at 2024-10-03 06:08
時間制限なし
at 2024-10-02 07:01
蝶のゆくえ 葉室麟
at 2024-10-01 06:10
スピノザの診療室 夏川草介
at 2024-09-29 06:56
写楽女 森明日香
at 2024-09-28 05:24
サイドオニオン
at 2024-09-27 05:29
九頭竜蕎麦 丸ビル店
at 2024-09-25 06:47
深川めおとそば 吉村龍一
at 2024-09-24 06:16
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧