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ラピスラズリブルー

天を衝く 全三巻

「風の陣」「火怨」「炎立つ」の三部作を 高橋克彦 陸奥シリーズとか名付けていますが それに続く九戸政実を描いた長編 天を衝く
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この作品を書き上げたとき 高橋克彦の作家生活は21年 陸奥三部作は 夫々1年超程度で脱稿しているのに この作品には7年を費やしたと あとがきに書いておられます
後に南部藩となる岩手を中心とする南部一族は 源頼義の五代末裔が 南部光行 として 一戸 三戸 四戸 七戸 八戸 九戸等の一族に分かれて 覇を競い合います
津軽(大浦)為信は 秀吉の奥州仕置きの間隙を縫って独立していく 謂わば南部の裏切り者ですが この小説の中では 九戸政実の与えた謀で見事独立を果たしていきます

高橋克彦の歴史小説は 討伐された側からの視点ですから 歴史書から抹殺された人々であり 少ない資料の中で想像をたくましくして書き上げたものだと思います 出来れば 当時の地図を挟んでいただきたかった
軍略に関する記述は 舌を巻きます 引き込まれます
数百人から数千人の戦闘を書かせたら 高橋さんの右に出る方は存じ上げません
腹の探り合いは 上田秀人という鬼神が居ますが 高橋克彦の「先読み」の記述は 吸い込まれていくような陶酔感を味合わせてくれます

題名の「天を衝く」は 天を衝いて雷雨を呼び寄せるの意 秀吉の自分勝手な奥州仕置きに一矢を報いんと立ち上がりますが 小雨しか降らなかったと政実に語らせています

戦国の時代に在って 戦をせず近隣との協調を続けていれば その国の国力(戦力)は落ちて行ってしまう 
常に戦をして兵力を養い その国に攻め込むことを躊躇させることが 戦国時代の唯一の生き残る道である
九戸政実の生きざまは 権力闘争を選挙で戦い抜いた田中角栄の生き様を彷彿させます
企業戦争に明け暮れていた半年前までは 企業人生は戦争だと思っていましたから この考え方から抜け出ることは出来ませんでした
戦争放棄は 結局最後には他国からの蹂躙を許すことになるのではないか 北方四島 竹島 尖額諸島しかり などと考えてしまいます

私自身が 齢を重ね 集中力と視力が衰え 一日二百頁を超えて読み込むと 老眼鏡をかけていても文字が霞みはじめ一日での読了は夢のまた夢です
登場人物のメモを取っていないと訳が判らなくなります 
そんなハンディキャップを乗り越える面白さでした

 





by toshi-ohyama | 2020-09-24 06:53 | 幕張図書館 | Comments(0)
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