古代史講義 邪馬台国から平安時代まで

歴史研究の世界は　次々に新しい論文が発表され　新しい史実が明らかになっていきます

半世紀前に学校で学んだ史実が覆され　歴史が書き換えられていきます

鎌倉幕府の成立が　１１９２年から　１９８５年に変わったり　鎌倉幕府はなかったという説まで

聖徳太子も　実在が否定されつつあり　厩戸皇子に表記が変わっています

十七条憲法が　其の書き方から推古時代よりもかなり後に書かれたものであるとの説は何度か耳にしたこともあります

歴史が権力者に都合よく書き換えられていくのは　ある程度理解出来るようになってきました

壬申の乱は天皇家の権力闘争の結果であり　大化の改新も改革自体が疑問視され乙巳の変と名前が変わりました

日本書紀が天智系天皇家と藤原一族の権力収奪の歴史を都合よく書き換えているのも少しずつ解明されつつあります

本書でも幾つかの新しい史実を学びました

菅原道真は　遣唐使の中止を行ったと学びましたが　本人が正使に選ばれ派遣の再検討を上申していること　実際には中止決定の前に唐が倒れてしまったとあります

８０９年に朝廷が「和漢惣歴帝譜図」という書を発禁としています

其れ迄　渡来系氏族が中国皇帝や朝鮮諸国の王を祖として位置付けていたが　該書ではさらに遡らせて「天御中主」に結び付け系譜を語ろうとしているのを阻止する目的であったとのこと　此れも　当時の皇統系譜を天皇家が独占し他の部族を排他的に扱おうとしてたことを示しており　ある意味皇室伝説が崩れ去るのを防止しようとしての事と理解します

単純に　歴史研究を学ぶのは　とても面白いです