木下昌輝(まさき)氏の小説は 以前に「宇喜多の捨て嫁」という作品を読んだことがあります 文章に力があるな という印象を持ちました
今回の作品は 小説ではなく「信長公記」の解説本と理解します
歴史小説を書きたいと考えて 飛び付いたのが「信長公記」だったと あとがきに書かれています
信長公記には天正八年八月十八日から同年十二月晦日までの約四か月半の信長の行動記録が 他の記述に比べ極端に少ないことに注目 この間信長は鬱状態にあって外出しなかったのではとの仮説を立て論証しようと試みています
医学的所見も交えながら信長論を展開していきます 歴史書でもなく 小説でもなく 評論として読み進めていくと 聊か展開に無理を感じてしまいました
信長論 特に本能寺の変の動機 黒幕には諸説が説かれていますが 中々説得性の高い仮説にはお目に掛かれません
表題に飛び付きましたが 騙されたような印象も拭えません 話を広げすぎたかもしれません