幕末の幕府官僚には 数多くの優れた人物が居ました
その中の一人 小野友五郎を知りました
実はこの新書は昭和61年の刊行で 既に絶版となっており 定価520円が ネットでは何と20万円の値段もついています
私は2,850円で入手しましたが それだけの価値のある内容ではありました
敢えて 小野友五郎の業績についてはコメントを控えます
鉢巻にも咸臨丸航海長とありますが 彼の小笠原諸島測量のおかげで 既に外国人居留者が居たにもかかわらず 小笠原は日本領土となりました
此の本に触れたのは
今野敏氏の小説「天を測る」を紹介され 読了したことによります
今野氏は あとがきの中で この小説は 前記の新書を参考としたとありますが 実は新書の情報を超えるものは少なく感じました
天を測る は あくまで小説ですから 目くじらを立てることもないのですが 主人公小野友五郎の引き立て役として 勝海舟 福沢諭吉をヒール役に仕立てています
咸臨丸の航海中 船室を一歩も出てこれなかった 余りの船酔いに途中から自分だけでも日本へ帰ると駄々をこねる海舟のエピソードは 事実ではあったと思いますが
彼の筆致には 勝への悪意さえ感じます 福沢への対し方も同じ 極めて後味の悪い読後となりました