敗北を抱きしめて増補版

原書の題名は　Embracing Defeat:Japan in the Wake of World War Ⅱ　

題名の　Embracing　は　愛情を持って抱きしめる

新しい世紀において　自分たちの国は何を目標とし何を理想として抱きしめるべきか　という主題で　西欧列国の植民地帝国主義を真似て大陸に進出していった日本が　如何にして　敗北の道を辿ったか　そして　復興の道を歩んだかを　丁寧に解説しています

著者は　日本で教鞭を執ったこともあり　奥様（靖子）は日本人のようです

日本語にとても堪能のようで　資料は極めて詳細まで読み込まれています

正直なところ　相当深い戦前戦後史の知識が読者のも求められており　特に日本国憲法の成立過程についての解説は　この本を超えるものは知りません

著者は　1938年生まれ　私より10年年長にあたります

この本はピューリッツア賞も受賞している名著ですが　彼の代表作は「吉田茂とその時代」という本のようで　此処まで来たら　この本も読まねば先に進めない心境です

知識の乏しかった若き日に読んでいたら　得られない感動を与えてくれました