吉田茂とその時代 下巻

ジョン・ダワーの出世作　下巻

此れまで　これ程読みにくい著作にお目にかかったことは　ありません

全く頭に入らず　集中出来ないのは　認知症の現われかと疑ったほどです

尊敬する先輩にこの話をすると　難解と感じたのは私だけではないと判り　ほっとしました

下巻は　終戦後から引退までを辿ります

吉田の第一目標は　国際社会への復帰　戦前英国との提携を第一義に考えた吉田ですが　戦後は圧倒的な力を持った米国の傘下に入り

アメリカの国際戦略である共産主義との闘いに於ける極東の防波堤となるべく　更には現実的な選択肢である単独講和を躊躇なく選択

サンフランシスコ講和条約と日米安全保障条約を締結します

吉田の価値観の中では　天皇制の維持が最優先であり　自らが属する明治維新以来の特権的貴族階級生き残りの唯一の選択肢が　米国の属国化を選択させます

吉田茂が　帝国主義的外交のスペシャリストであり　チャイナスクールに属する植民地主義者であり続けたことを再認識するとともに　徹底した日本陸海軍嫌いを貫き　日本の再軍備に独り抵抗をし続けたことが良く理解出来ました

新たな視点を得て　岡崎久彦氏の同名の著作を読み直してみたくなりました