時代遅れの銘店

ブログの世界では　否定的な発言は自粛する傾向があり　新しい文化が芽生えつつありますが　敢えて一言申し上げます

笹巻けぬき寿司という銘店があります　江戸の伝統を守る老舗です　初めて訪れました

ランチには　ちらし丼も出しているようですが　基本メニューは笹巻寿司のみです

仕掛けは　柿の葉寿司と同じです

保冷技術の無かった江戸期の寿司の製法を続けて居られるようです　酢は可也強く甘みは殆ど感じません

昔ながらの朧に出会えたのは収穫でした　江戸前で朧は蒸し海老の下に置かれることがありますが　此処では朧だけで一巻にしています

終戦前後の江戸前の寿司を　銀座鮨池澤の先代の握りで食べる機会がありました

池澤の先代は　久兵衛の初代　数寄屋橋次郎の初代と張り合ったほどの頑固一徹の職人肌　シャリの酢はとても強く口の中でとろける絶妙な握りを堪能しました　此れが戦後の握り寿司の頂点という印象でした

笹巻寿司は　どちらかというと押し鮨に近いのかもしれません　残念ながら私の口には合いませんでした

ネタの仕事はされているようですが　シャリとの一体感は感じられません　

虎屋の羊羹は　変わらぬ味を売り物しておられますが　戦後羊羹の調合を４度ほど変更していると聞いたことがあります

現代人の甘味の好みが変化する中で　老舗も工夫を重ねています　其れが生き残りの秘訣なのかもしれません

敢えて　コメントは控えますが　客あしらいに努力されているようには感じません

勿体ない気がします