清水唯一朗の著作は初めて読みます
昔から原敬には大きな関心を持っていますが 余り彼に関する著作は読んで居りません
著者の清水唯一朗氏は 1974年生まれ 師事する御厨貴氏が主宰する「御厨塾」で 原敬の膨大な日記を輪読されたと後書きにありました
首相となるまでの原は 権力闘争に明け暮れたように感じます 政党政治を嫌悪した山縣有朋に信頼を得ようと日参しています
日本が 太平洋戦争での敗戦に至る道の端緒は 日露戦争で得た大陸特殊権益の維持に失敗した対華二十一条にあると考えます
幕末から続いた西欧列国のアジア大陸への帝国主義的植民地政策が 湧き上がる民族自決主義の波を受け 武力による侵略から国際協調外交へと舵を切り替えたことに 日本は対応しきれず陸海軍部の暴走を制御できなかった処に求めます
原を初めとする政治家達は この国際的な変化を充分認識したが 方向転換に失敗したと理解します
未だ未だ 近代史は研究が必要です 勉強になりました