葉室麟は 本書の単行本が刊行された三か月後の 2017年12月23日に逝去されます 享年66歳
草笛物語は 羽根藩シリーズ第五作 完結編ではなく この後の第6作の構想があったとされます
映画化された「蜩の記」 潮鳴り 春雷 秋霜 草笛物語へと繋がります
「デマゴーグ(扇動政治家)と暴言がはびこっている現代社会の根本を問い直したい そのためには明治維新から見なければならない」とは葉室の生前の言葉
蜩の記の戸田秋谷は 基督をも思わせる設定で描かれており 彼が西南学院大学で学んだであろうキリスト教の影響も強く感じます
私自身 現役の頃は 政治 権力闘争に興味も持って 小説を自らの企業人としての行動に重ね合わせて居た時期もあります
自由人となって 一つ高い俯瞰で味わえるようにもなった気がします