葉室麟の遺作?

2017年12月23日 初版発行 3日後の26日に葉室麟は逝去
解説に 朝井まかて氏が 葉室が最後に手に取った自分の作品と書いています
松平春嶽の一代記です 此れまでに春嶽が主人公として取り上げられた小説があったでしょうか
葉室は 大政奉還は 老中阿部正弘に抜擢された大久保忠寛(一翁)が考え出した策で 幕閣会議でこの策を聞いた松平春嶽が坂本龍馬経由で山内容堂に伝え 後藤象二郎に献策させたと説きます
徳川慶喜は 大政奉還により雄藩連合政権が成立した時 政権を主導する役に松平春嶽が乗り出そうとしていると気付き 永井玄蕃守尚志に部下の見廻組に命じて坂本龍馬の暗殺を示唆したと 葉室は断じています
とても説得力のある説と感じます 歴史小説作家として葉室が最後に取り上げたテーマは 何処までが史実なのか判りませんが 大きな感動を得ました