弥勒シリーズ 第六巻
主人公の一人 遠野屋清之助が 封印していた刀を抜きます
急所を外して殺しはしません
解説に このシリーズのモチーフは「父と子」であるあります
通常 推理物は事件が落着するものですが 本編では犯罪が一部未解決のまま終わります 此れも異例
通常の小説にはなにがしかのテーマがあり登場人物がその筋に沿って動くことで話が進む 小説とはそういうものだと解説の大矢博子氏は語ります
あさのあつこの小説は その大前提が崩されるような気分になる
彼女は 筋のために登場人物を動かしているのではなく 人を探るために筋を作っていると大矢氏は述べていますが 私もそう感じます
従って 重要な背景が 後半ギリギリになって開示されて行きます
ミステリーの手法としては 聊か異例な展開に戸惑いながら 吸い込まれて行きます