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ラピスラズリブルー

岩倉使節団という冒険

題名で衝動買いした一冊
岩倉使節団という冒険_d0338347_06381351.jpg

著者 泉三郎氏は一橋大卒 石原慎太郎のコンテッサ号クルーの一人 実業界の方のようです
岩倉使節団の建議は大隈重信です 大隈は他人のアイデアを纏め上げ自らの企画として建議するのが得意だったようです 即ち部下の使い方が上手い政治家だったということでしょう
そもそもの発端は 使節団の団長となる岩倉具視が安政5年に「神州万歳策」という建言書を提出して西欧の視察を提議したことによります
明治2年 政府顧問ギード・フルベッキが 長崎時代から懇意であった大隈重信の依頼により使節派遣企画書を書き 大隈がそのまま閣議に提議 伊藤博文も同様の企画書を提出しています

廃藩置県を終え その後の国の方向性を見出し得ぬ政府首脳が 海外視察に策を求めようとしたのは正解と思いますが 岩倉 木戸 大久保 伊藤という政府中枢が1年10か月もの間 未だ基盤の固まらぬ政府を放り出して視察に向かうというのは やはり異常事態です
しかも残された西郷 板垣らには十二ヵ条の約定を誓わせ 自分たちの留守中に重要な決定は一切まかりならぬと縛りを掛けるなど論外な行動に出ます

視察旅行中の様子が詳しく語られますが 維新の論功行賞の一環とばかりに観光に明け暮れたのは 木戸孝允 何を考えていたのだろうと思いたくもなります

当時 西欧最大の脅威は 露西亜の南下政策 富国強兵策を再認識したことは 功罪相半ばするところかもしれません
米国 英国 仏蘭西 プロシャと廻り 鉄血宰相ビスマルクとの会見から プロシアの置かれている状況が日本に一番参考になると考え
立憲君主制による統治を見出したことが その後の明治欽定憲法に繋がり 帝国主義的大陸進出 植民地獲得競争に後発ながら突き進んだ結果は 世界を相手に戦い敗戦という悲惨な結果を招きました
使節団帰国前後の征韓論の経緯は 簡潔かつ明解に描かれており 一番判り易い解説であると感じます
お勧めの一冊です





by toshi-ohyama | 2023-01-13 06:19 | 幕張図書館 | Comments(0)
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