上田秀人 日雇い浪人生活録9 金の色彩

近年 田沼主殿守意次の評価が変わりつつあると聞きます 家康が採った重農主義の下で商家が力を付け 米による税収に頼る武士階級が相対的に力を失い始めた元禄期
謂わば重商主義を進めようとする田沼政治をテーマに取り上げています
徳川吉宗の享保の改革は質素倹約を旨とし 米以外の収入を創り得なかった その吉宗の命により田沼は銭の流通を拡大しようとする
文筆業に専念するようになって 却って執筆の速度が落ちてきたと同時に 物語の展開がもどかしく感じるほど 遅々として進まなくなったようにも感じます
このシリーズも そう長くは続かないのでしょうが どの辺に結末を想定しているのかよく判らなくなります