上田秀人書下ろし 町奉行内与力奮闘記9 完結編

町奉行は 一代限りの役職であり 奉行所与力・同心は実質世襲制 与力は留め役で奉行に昇格することはありません
町奉行は総合職 与力は専門職という位置付けでしょうか
内与力は 奉行個人の家来から任命され 側用人 留守居 使番 小姓 祐筆 という公用人三人 訴状掛の目安方二人 計五人(南北両町奉行所で10人)
内与力のうち各二騎ずつが奉行所から俸給が支払われます 与力は合計二十五騎ずつ 計五十騎が奉行所に配置されていました
町奉行が異動すれば 内与力も町奉行とともに入れ替わります 内与力と与力では見ている方向が違うため 齟齬が生じてきます
田沼意次時代の奉行所事情を綴ってきたこのシリーズも 第九巻で完結です
上田秀人の書下ろしは もう少し長く続くのが通例でしたが 本シリーズは無理やり終了させてしまったような印象です
作家専業となり 作風も少し違ってきました なんとなく尻切れトンボな終わり方で 消化不良気味です