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橋ものがたり

藤沢周平49歳の作品
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藤沢作品は 前期と後期で大きく変わっていきます

以下は 藤沢自身の自作品に対する評論です

「三十代のおしまいごろから四十代のはじめにかけて、私はかなりしつこい鬱屈をかかえて暮らしていた。鬱屈といっても仕事や世の中に対する不満といったものではなく、まったく私的なものだったが、私はそれを通して世の中に絶望し、またそういう自分自身にも愛想をつかしていた。(中略)(そういう鬱屈の解消方法が)私の場合は小説を書く作業につながった。「溟い海」は、そんなぐあいで出来上がった小説である。」
—(「溟い海」の背景)

「私自身当時の小説を読み返すと、少少苦痛を感じるほどに暗い仕上がりのものが多い。男女の愛は別離で終わるし、武士が死んで物語が終わるというふうだった。ハッピーエンドが書けなかった。」

後期に入るのが 昭和50年頃 藤沢自身が多読した海外推理小説の展開 仕掛けの盛り込み ドンデン返し ハッピーエンドを思わせる事情的な結末 此れらが結実し始めた頃の藤沢自身も好きだったというこの作品
TV映画も作られていて「吹く風は秋」では 橋爪功が好演しています 壺振りは余り上手くはありませんが 藤沢は橋爪をイメージしてこの作品を書いたかのような印象さえ持たせてくれます

更に文庫本の解説は 井上ひさしが筆を執っています
「大衆小説の変質は 読者が小説に物語の祖型を求めなくなった途端に始まったというのが ぼくの意見です では読者は物語のかわりに小説に何を求めたのか 情報です(中略) 作者の方も読者の好みをいち早く見抜いて 時代小説の中にさえ各種の情報を盛り込むようになりました」「藤沢周平を読むたびに 大衆小説家の一人として 物語の再創造や文体の練り上げにもっと意を注ぐべきだと反省させられる」

この文章を読んで 私が上田秀人の時代小説にのめり込んだ訳が漸く判りました 上田秀人から藤沢周平に戻ってみて 初めて小説の魅力に気付いた気もします





by toshi-ohyama | 2023-03-06 06:25 | 幕張図書館 | Comments(0)
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