直木賞作家 澤田瞳子の描く 奈良時代 聖武天皇の後宮に働く三人の娘の物語

2013年初版の文庫本ですから 澤田が第165回直木賞を受賞する以前の作品です
澤田は5度目の候補作品「星落ちて、なお」で直木賞を受賞しますが 一貫して日本史の深い造詣を活かしての作品を書き続けています
読んでいて 里中満智子の漫画を読んでいるような印象を持ちました
3人の主人公には夫々実在モデルが居るようです 続日本紀等から慎重に選び出した後宮の侍女たちの青春ドラマのような印象を受けます
最近は 歴女とか 刀剣女子とか 歴史に興味を持つ若き女性も多いと聞きますが 澤田は歴史小説ファン層拡大を目指して書き上げたのかもしれません