北岡伸一の著作を初めて読みました
北岡氏は私と同年の生まれ 東京大学法学部卒 団塊の世代にあって世論を牽引していく立場にあります
彼が脚光を浴びていた時代 比較的右寄りの立ち位置を感じて居ましたが 民主党政権時代を経て 立ち位置に揺らぎを感じたことがあります その意味で 公家にありがちな腰の弱さ・無責任さを感じないではありませんでした
後藤新平は 近代日本に於いて スケールの大きさを感じさせます 彼の大風呂敷はそれまでの日本人にはない発想の豊かさを顕わし 尻つぼみになってしまうのは 彼を支える組織の弱さだったかもしれません
関東大震災後の帝都改造 満鉄経営による大陸進出策 何れも彼の偉大な発想に社会が追い付けなかったことは間違いないと感じます
北岡は 後藤のスケールの大きさを見事に客観的に展開しています 後藤研究の最初の一作としてお勧めしたい名著です