上野で開催中の「神護寺展」を観に行って来ました学生時代からカウントすると 何回この薬師如来を拝観して来たか 今回の特別展示は 神護寺に伝わる二つの曼荼羅の修復完成記念のようです両界曼荼羅は 中国から持ち帰ったものを空海の指示で模写したもの 大陸から持ち帰ったものは既にありません肉眼では識別が難しくなるほど劣化しています 此の模写版の仏たちを精密に書き写した巻物が展示されていましたが 此れが息を吞むほど精密な素晴らしい模写でしたお目当ての薬師如来は 空海が神護寺を創建する前からこの地に伝わっていたもののようで 天平仏のような印象を受けます薬師信仰は 6世紀に仏教が伝来した頃に日本にもたらされ 空海の伝える密教よりも古いものです 更に今回 金剛界 胎蔵界の両曼荼羅が 伝来経路の違う二つの仏教系譜を伝えるものであることを知りました
とするならば 大日如来が中央にまします胎蔵界が真言密教の世界と云う事でしょうか
神護寺には 古来から日本で信仰された八幡神も祀られるなど 排他的ではない古来の仏教の世界が実現されています
今回初めて 神護寺所蔵の源頼朝 平清盛 の画像を観ました 大きさと精密さに圧倒されました