ラピスラズリブルー

カテゴリ:幕張美術館( 16 )

序の舞 修復完了

東京芸術大学所蔵 上村松園の「序の舞」(重要文化財)が二年がかりの修復を終え 公開されました

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今回は 大下絵と並べての展示がされ 制作過程の試行錯誤が良く判ります 
奈良の松伯美術館には 下絵が沢山保存されていて完成絵と対比出来るのが嬉しいです

今回の修復は 剥離してきた絵の具の定着中心で 絵は50年で随分傷むものだと再認識させられました
何度見ても飽きぬ素晴らしい作品です 松園の作品は筆に迷いもなく 気品を感じます

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又 この美術展でもう一つの収穫は もう一枚の序の舞を鑑賞出来ました

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山川秀峰の作品です 少し動きがあり 右足で床を踏む直前の姿を映したようです
此れも 素晴らしい作品です
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何と切手にもなっているのですね 知りませんでした


 




by toshi-ohyama | 2018-04-20 06:35 | 幕張美術館 | Comments(0)

道明寺観音

上野国立博物館の仁和寺展が大好評のようです

殆ど報道されていませんが 国宝道明寺十一面観音菩薩像が展示されています
葛井寺の千手観音ばかり取り上げられています 確かに素晴らしい仏像ですが 私の狙いは道明寺観音

この観音様との出会いは 東京藝大 大学院美術研究科 文化財保存学専攻 保存修復彫刻研究室 籔内佐斗司教授が指導する道明寺観音模刻を拝見した時
白木の状態で彫られた当初の佇まいが良く判り魅了されました
実物の国宝を観たくて 大阪に参拝に伺ったのですが 18日 25日しか開扉されず参拝出来ずでした

 
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均整の取れた美しさは 息をのみます 
お寺では 菅原道真手ずから刻まれたと伝わっています

98cmの小柄なお姿はカヤ材の一木造り 道明寺は元々道真の出身である土師氏の菩提寺であるそうです



by toshi-ohyama | 2018-03-10 06:17 | 幕張美術館 | Comments(0)

鎌倉芸術 運慶

興福寺中金堂再建を記念して 東京国立博物館で運慶展が開催されています

興福寺は 且つては藤原氏の氏寺 檀家を持たぬ法相宗大本山 明治維新後の激しい廃仏毀釈運動の中で 当時の貫主は250円で売却 塔自体は燃やして金目となる金属金具のみを取り出し売りさばくことまで考えたとの話があります 世界遺産に登録され壮大な再建計画も立てられ 2018年中金堂 その後南大門も再建が計画されています
となると 西金堂も再建されることになるのでしょう
塔の売却という意味では同じ法相宗の薬師寺も高田好胤氏が東塔を売ろうとしたと云う話を聞いたことがあります 百万巻写経で見事に西塔 金堂 回廊を再建し白鳳伽藍を再現しました 同じ法相宗の興福寺も同じように再建を考えるのは不思議ではない とはいうものの宗教寺院としてではなく観光名所としての再建としか思えず 宗教の荒廃を感じます

運慶の時代は 鎌倉期 多くの寺の再建があり 仏師たちは大忙しで次々に仏を彫り出しています
私の大好きな大日如来像は 若干20歳前後のデビュー作(2年前に息子湛慶が生まれています)

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晩年の運慶作品は阿弥陀如来が多く この大日如来は何らかの慶派に受け継がれた型紙を使っているように思われます
又 この大日如来に劣らぬ傑作が 無著世親菩薩像 

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この兄弟は印度僧で法相宗確立の祖 その精神性を見事に彫り出した日本彫刻の最高傑作のひとつと云えます(運慶はこの像を 二人の息子に担当させています)

最近 ある仏師の作品展を拝見しましたが ご本人が「どんなに努力しても運慶に近づくことはできない」と その偉業を讃えていました
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by toshi-ohyama | 2017-10-29 07:53 | 幕張美術館 | Comments(0)

完璧な内面表現

奈良博物館に行ってきました
これぞ快慶の最高傑作
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京都醍醐寺蔵 弥勒菩薩座像(重要文化財)です 何故国宝ではないのか私には疑問です
弥勒菩薩は 釈迦如来入滅後56億7千万年後に衆生救済のためにやって来る弥勒如来の菩薩時代を表現しているもの
つまり 未だ如来となる前の菩薩像ですから 人間を感じさせる内面性の表現がこの像の素晴らしい処と感じます

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此方は国宝の東大寺僧形八幡 本地垂迹論による神仏混交表現 僧形八幡はこの世に存在するものではなく日本で独自に考え出されたものだけに どう表現するのか
神か 仏か 其れとも人間なのか どのような内面性を表現するのか 当時の造形技術を最大級に居り込んだ 最高峰に置かれる作品と思います
僧形八幡ではなく 実在の人物を造形化させたら 多分快慶は最高傑作を残したのではないでしょうか
快慶は 阿弥陀如来像をかなり多く残していますが 徐々にパターン化されていきます 快慶は内面性の表現にその才を存分に発揮した仏師と私は見たいのですが如何でしょうか

此れから東京で開催される運慶展も愉しみです

by toshi-ohyama | 2017-05-16 06:59 | 幕張美術館 | Comments(0)

二都物語

慶派の仏像彫刻は 甲乙つけがたい傑作揃いです 何度見ても感動が沸き起こります
快慶の作品が 奈良国立博物館に集まっているようです

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連休に 友人の写真展を奈良に観に行く予定があるので 立ち寄りたいと思っています

一方 秋には東京国立博物館に運慶が揃うようです

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此方は 大好きな 圓成寺大日如来 運慶26歳の作品

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そして 興福寺北円堂無著(世親)像 5世紀の北インドで大乗仏教唯識派を確立した兄弟 運慶は本人たちに逢ったこともないのですが 見事にその内面を抉り出した人物彫刻の最高峰と称えられます 




by toshi-ohyama | 2017-05-12 06:23 | 幕張美術館 | Comments(0)

空想の

京都国立博物館で開催中の海北友松展

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安土桃山期 狩野永徳 長谷川等伯と並び称せられる海北友松 多くの龍図が一堂に会しています

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中でも秀逸なのが この絵
建仁寺 雲竜図の中の一枚 龍は想像上の生き物ですから 鹿の角とか色々な動物を組み合わせて描いたのだそうです
今回 何枚か並べて観て この絵が一番 
初めて気が付いたのが眼 黒目は丸ではなく横に幅のある筆でくるっと円を描くように描いています
画竜点睛は 点ではなかった


by toshi-ohyama | 2017-05-10 07:19 | 幕張美術館 | Comments(0)

第19回 個展

奈良の友人 堀内保彦さんの第19回目の個展が 5月の連休に開催されます
平成17年5月5日 偶々奈良を歩いているときに第1回個展を開催されている堀内さんと出会いました
堀内さんは地元樫原に在住の写真家 SL F-1 そして里山と幅広い領域をカヴァーされています
入江泰吉さんの作風を追い掛け 大和の美しい四季を素晴らしい色彩で表現されます
今年の5月は 19回目の個展となります 近隣の方宜しければぜひ足をお運びください
私も 駆けつける積りです




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by toshi-ohyama | 2017-01-20 14:02 | 幕張美術館 | Comments(0)

第二回日本木彫刻展

上野の森美術館で 日本木彫刻協会主催の展覧会が開催されました 入場無料です
facebookで いつの間にか知り合いとなり 紺野 侊慶師という若手の仏師を知りました

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此方は 紺野さんの作品

若い人たちが集っての会のようです 教室を開いて裾野の開拓にも力を注いでいるようです

「千の風になって」を歌う 秋川雅史さんが名誉会員として 見事な作品を展示しています 

東京芸大の大学院に保存修復彫刻研究室があり 薮内佐斗司教授が指導しています この研究室で傷んだ仏像の修復に取り組んで居られます 
最近大人気の興福寺の阿修羅の手は薮内教授により修復されています

日本の木彫彫刻が 更に発展してくれればと エールを送ります
 



by toshi-ohyama | 2016-10-07 07:46 | 幕張美術館 | Comments(0)

静けさの中の緊張感

上野の国立西洋美術館に カラヴァッジョが来ています

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彼の正式の名前は Michelangelo Merisi da Caravaggio 1571-1610
38歳の若さで亡くなった天才画家 喧嘩の末 殺人まで犯してしまう激情家の彼の絵は 恐ろしく冷静に且つ精緻に描かれています
カラヴァジェスキという彼の技法に信奉追随する画家達を生み 明暗技法はレンブラント等 次世代の画家に大きな影響も与えています 
絵の中の人物は一瞬の動きを切り取ったように動的で 感情が溢れ出し ドラマのクライマックスを観ているような衝撃を受けます
彼の感情表現は かのミケランジェロのように大袈裟なものではなく 静かな流れがピタッと停まった様な それで居てその場の緊張感が伝わってくる独特のものです

作品数は少なく 60作くらい その内移動出来る11枚が今回出品されています 見応えがあります

今回の目玉は エマオの晩餐

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殺人を犯して ローマから逃亡した直後に描かれたと云われます

カラヴァッジョは この絵を描く以前に 同じテーマで描いて居ますが 今回来日した作品の方が 背景の闇も深く 動きも少なく静かです 
近付いて 筆致を観ると それはそれは繊細な細い線に強い力を感じます

私の一番のお気に入りは 今回は出品されて居ませんが マタイの召命

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左端のマタイは イエスを見上げることも無く金勘定を続けています マタイを指さしているイエスは右端に寄せられ しかも手前に人が被さるように立ちます
中央に置かれている少年の意味する処は何なんでしょうか 天窓から差し込み斜めに横切る光がイエスの指差すマタイへの方向への流れを更に強調し その場の緊張した雰囲気を見事に描き切って居ます

お勧めの絵画展は 上野国立西洋美術館で開催中です











 



by toshi-ohyama | 2016-04-05 09:30 | 幕張美術館 | Comments(0)

黄金のオランダ絵画

フェルメールの「水差しを持つ女」が来日しています

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17世紀のオランダ絵画はレンブラント フェルメールなど巨匠を生み出していますが 全体としてのレベルの高さは圧巻です 
何度観ても精緻な筆致にはため息が出ます

右端は カレル・ファブリティウスの自画像 中央は彼の代表作「アブラハム・デ・ボッテルの肖像」
ファブリティウスは 弾薬庫の爆発で32歳の若さで死去し作品も多くがこの爆発で焼失しています 現在残る彼の作品は10数点のみ
レンブラントの弟子の中でも一番才能に溢れていたと云います 明るい背景の中で人物象を浮かび上がらせる彼の作風は 写真とは異なる絵画の可能性を
我々に示して呉れているような気がします



by toshi-ohyama | 2016-02-20 07:23 | 幕張美術館 | Comments(1)



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