ラピスラズリブルー

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一死、大罪を謝す

沖縄戦の敗北を受けて 昭和20年4月5日小磯内閣が倒れ 後継首相を鈴木貫太郎が拝命します 鈴木貫太郎の固辞を昭和天皇は「もう他にひとは居ない どうか気持ちをまげて承知して貰いたい」と懇請 鈴木首相は受諾し 米内海相を留任させ 陸軍大臣に阿南惟幾(あなみこれちか)を指名します
阿南陸相の就任の条件のひとつに「戦争の完遂」が挙げられていましたが 阿南は就任当初から鈴木内閣で戦争を集結させることを胸に秘めていたようです
阿南は総理秘書官松谷誠大佐が「国体護持以外は無条件で終戦に向けて陸軍が決意を固めるべきである」と進言したとき 阿南は「君の意見の通りだが 自分がそれを口にすると影響が大きいので 外部や部下に対して云わないだけだ」と答えます しかしながら 無条件降伏を決めた御前会議まで阿南は一人で「徹底抗戦」を主張し続けます 阿南陸相は 胸の内は一切語らず切腹をして果てます 58歳の生涯でした 阿南の遺体は 市ヶ谷陸軍士官学校に移され 荼毘に付されました この時 8月15日のクーデターを企て失敗し宮城で自決した 椎崎二郎中佐 竹中健二少佐も一緒に焼かれたそうです
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陸軍大臣就任まで 阿南は余り目立つ存在ではありませんでした 果たして阿南の腹の中は一体何だったのか 既に敗戦降伏を覚悟していたのか 其れとも最後まで主張した徹底抗戦だったのか 阿南自身は何も書き残していません 題名となった「一死大罪を謝す」は阿南の遺書の言葉
遺書には、「一死以テ大罪ヲ謝シ奉ル 昭和二十年八月十四日夜 陸軍大臣 阿南惟幾 神州不滅ヲ確信シツツ」
辞世の句は、「大君の深き恵に浴みし身は 言ひ遺こすへき片言もなし」 此方は陸軍大将と肩書を書き分けています

終戦時の状況については 過去から多くの書籍を読んできました 此れまで半藤一利氏の「日本の一番長い日」が終戦前後の情勢を一番正確に書き留めていると思って居ました

「歳月を経る間に人々は事実を忘れー中略ー補修し 整理し 美化し 誇張し 想像を加え つじつまを合わせ 感情を交え 友情や儀礼を加え

意図的に自分の意志に引き寄せーなど ありとあらゆる「加工」がされている」との 角田房子の後書きの言葉が深く心に突き刺さりました

ともすれば 自分が聞いた言葉 自分が読んだ文章が 全て正しい歴史的事実であると思い込む傾向が強かった自分に冷水を浴びせて

くれた角田房子氏の言葉を忘れず 読書生活を続けたいと深く心に刻みました





by toshi-ohyama | 2017-11-29 07:40 | 幕張図書館 | Comments(1)

何が違うのでしょうか

最近 自由人となり自宅でコーヒーを呑むことが多くなりました
仕事を度外視しても キーコーヒーのコーヒー豆は美味しいです

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スペシャルブレンドは キーコーヒーの看板商品 VPという真空梱包の商品なのですが 何故かスペシャルブレンドには写真のように2種類の梱包があります
値段も変わりません PREMIUMと書かれた左側の商品は 右の商品と何か違いがあるのでしょうか?



by toshi-ohyama | 2017-11-27 08:49 | 幕張雑貨店 | Comments(0)

日本史の内幕

磯田道史氏の顔を見ない日はないほど 彼方此方で大活躍の日々を送られているようです
著作も多く出版されています
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15歳から古文書を読み始めたという少年時代から駆け足で走り続けている印象を受けます
この作品は 読売新聞に連載された随筆のような内容です

173頁に 慶応4年1月15日付 西郷隆盛が岡山藩家老十倉修理助に宛てた書簡の話が載っています
鳥羽伏見の戦いの直後 神戸事件として知られる岡山藩兵とフランス軍の衝突から 日本で初めて外国軍隊が神戸市街を占領する事態となったときの話です
磯田氏は岡山の出身 藩兵の中に磯田氏の遠縁にあたる高山紀斉が加わっていたそうな
事件は伊藤俊輔(博文)が折衝に加わり 岡山藩兵を率いていた滝善三郎が2月9日切腹をして決着に向かいますが 滝が切腹のために本堂を借りた薩摩藩本部となっていた永福寺は 私の母の実家の菩提寺です 
神戸事件の起きたのは 神戸大丸前にある三宮神社付近で 現在も事件の碑が境内に立っています




by toshi-ohyama | 2017-11-25 04:19 | 幕張図書館 | Comments(0)

歴史の愉しみ方

著者の磯田隆史氏は1970年生まれ 今年47歳
司馬遼太郎が「街道をゆく」を書き始めたのが 確かこの位の年齢だったと記憶します
17年10月に発刊された「日本史の内幕」に遡ること5年 この本を刊行しています
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幼少の頃から古文書に取りつかれ 古文書を読みながら飯が食えればと学者の世界を目指したとご本人が書かれています
歴史に係わる随筆を書かせたら当代随一 司馬さんの死後 空席となっていた歴史の語り部の席をどうやら彼が占めることになりそうな予感がします

私の学生時代 新書は岩波が抜きん出ていましたが 最近は中公新書の質がとても良く感じます
他の新書が ともすればポピュリズムに流れ上っ面を擦るだけの薄っぺらい中身に終始している中 中公新書がその質を上げているのは 編集者の腕の差かもしれません

通勤の暇潰しには スマホゲームよりもこのような新書と思いますが如何でしょうか 電車の中で年配の方までスマホゲームに興じている姿に 何か将来の不安を感じます


by toshi-ohyama | 2017-11-23 07:38 | 幕張図書館 | Comments(0)

販売店の都合で梱包を変える

以前に一度ご紹介した 京都北白川「ますたに」のラーメン
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別のスーパーで同じますたにのラーメンが 違う包装で売られていました
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此方は二人前 中身は同じものが入っていました

此方は 左はコンビニ用 右はスーパー用 容量は違いますが同じものです
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コンビニは 売れないとドンドン取り扱いを止めてしまう 常に商品を入れ替えてしまうので 納入業者は計画的な生産が出来ないと聞いたことがあります
コンビニは店舗が狭いので 右側のような大きな箱は在庫場所がないことから仕入れてくれないそうで 左側のコンビニ用を開発したそうです

最近 ポテトチップスのカルビー食品が 自前の菓子店を開店したと聞きました
コンビニやスーパーが自分の都合で商品を入れ替えてしまうので 売りたいものが売れない 其れなら自前の販売店を持とうとの苦肉の自衛策だと カルビーの社長が
話していました
菓子業界もマーケティング志向が進み 生産者が良いものを作っても拡販出来ない NETは配送料がかかるので 千円以下の商品は中々売れない...

難しい時代です





by toshi-ohyama | 2017-11-21 07:15 | 幕張食堂 | Comments(0)

猛牛(ファンソ)と云われた男

書店で衝動買いし6年程積読状態だった文庫本

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内容を確認することもなく購入したので 頁を開くこともなく埋もれていました
読んでみると 私自身が生きて来た昭和の時代に 我々と異常接近しながらすれ違っていたような在日韓国人二世の壮絶な人生を駆け抜けた男の物語でした

町井久之 韓国名 鄭建永(チョンコンヨン) 両親ともに朝鮮生まれ 東声会 力道山 児玉誉士夫 田岡一雄 六本木TSK・CCCターミナルビル 日韓条約締結
民団 日韓の政治家 彼に係わるキーワードは 我々の生きて来た昭和の時代に報道された数々の話題・事件の背景に深く関係していたことを初めて知りました

彼のお墓は池上本門寺 大野伴睦 力道山 児玉誉士夫の墓近くに眠っているそうです 力道山の墓は私もお参りしたことがありますが改めてお参りしてみたいと思います

著者は 中日新聞入社後東京新聞社会部出身 ソウル支局長を務めた 城内康伸(しろうちやすのぶ)氏 自ら歩いて関係者から直接取材した話を展開しています

蔦屋を経営するCCCカルチャーコンビニエンスクラブと町井が建てたCCCターミナルビルが何処かで混同していました 関係はないようです


 


by toshi-ohyama | 2017-11-19 07:06 | 幕張図書館 | Comments(0)

応仁の乱

漸く 誠に漸く「応仁の乱」を読了しました
購入して1年 その間不思議な応仁の乱ブームがこの新書により始まり 著者の呉座勇一氏を見かけるようになりました

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この本に取り掛かる前に 基礎知識を整理するため少し事前準備が必要でした

勝者のいない11年間の戦い 関係が複雑で良く判りません 呉座氏はこの戦いを興福寺別当の座を争う藤原一族 九条家一条家の権力闘争を背景に語ります
足利義政と息子義尚 義政の弟義視を巡る将軍家の相続争いが良く応仁の乱の主因として語られますが 畠山義就 政長の相続争いに始まり管領・守護の権力闘争が
複雑に絡み合います

義政が政治を怠り芸術の擁護育成に溺れていたとの定説がありますが 引退と復帰を繰り返し度々政治に介入していたのには訳があります
鎌倉幕府以降の政権は地方豪族の荘園紛争への裁定 所領安堵が主な役割となっていますが 領地紛争を自分に有利に進めて貰うため 訴人は将軍に所領安堵の賂を贈ります
云わば謝礼でありますが 此れを目当てに義政は引退後も政治介入を繰り返したと考えられます 室町時代は後の日本文化の源ともなった文化繁栄の時代と云われますが 義政によるこの賂は殆ど指摘されることもなく 田沼意次の場合は 政敵となった松平定信の過度な糾弾により悪人の手本のような非難を浴びています
歴史を学ぶと云うことの意味が少し判って来る本でした


by toshi-ohyama | 2017-11-17 06:41 | 幕張図書館 | Comments(0)

閔妃暗殺

日本人は 明治維新以降の自国の歴史を全く総括していないという話を良く聞きます 東京裁判は連合国によって裁かれた結果であって日本人自身の総括ではない
韓国併合についても 昭和40年日韓基本条約によりその有効性は「もはや無効」とされ総括とは程遠い形で終結したことになっています
明治維新後 列強の帝国主義政策を追い掛けるかたちで大陸進出に国運を掛けましたが パリ不戦条約以降の国際社会の流れの変化に取り残される中で全世界を相手に戦いを挑み無条件降伏という結末を迎えます

日本人が殆ど無関心でいる「閔妃暗殺」の問題を正面から取り上げた本に出会いました

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犯行は 三浦梧楼駐朝公使主導のもと 大陸浪人 駐朝陸軍幹部等により行われ 朝鮮国王高宗の王妃 閔妃を虐殺します
犯行に携わった人々は 日本へ送還され裁判にかけられますが証拠不十分で無罪となり 3人の朝鮮人が実行犯として処刑されます
この事件に関与した日本人の中に 教員として朝鮮に居た与謝野鉄幹(22歳) 竹橋事件で有罪となった岡本柳之助 北京籠城で著名の鈴木五郎の兄 鈴木四郎(後衆議院議員)の名前を見出します 一説には背後に陸奥宗光の影も感じさせる記録もあるようです
これらの人々は 本事件に深く関わったにもかかわらず 治外法権により朝鮮で裁かれることなく日本に護送され日本での裁判にかけられます 証拠不十分として無罪放免されただけではなく その後夫々に要職に就き 中には国会議員となったものも見受けられます
韓国の方たちが 今も日本に対して強い不信感を持つのは 当たり前と云えます

著者の角田(つのだ)房子さんは 既にお亡くなりになられていますが ハングルが読めず大変な苦労をされながら研究を続け資料を読み解いていったようです
今井均等多くの軍人達の足跡も著作に残しており 追い掛けてみたくなります



by toshi-ohyama | 2017-11-15 07:17 | 幕張図書館 | Comments(0)

巨人軍記念グッズ

職場の友人が 見付けてくれた読売巨人軍カフスボタンセット
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創立記念にでも配られたものではないかと推察します
何処にもそれらしきことは書かれていません NETで調べても何もヒットしません
何方かご存知の方が居られれば 教えてください
背広を着る機会が無くなってしまったので 余り使うことは無さそうですが 巨人ファンには嬉しい品です 


by toshi-ohyama | 2017-11-13 08:40 | Comments(0)

わろてんか

吉本興業創業者 吉本せいのTVドラマ化 朝の連続ドラマが評判のようです 本屋の店頭は 来年の大河ドラマ 西郷(せご)どん と 吉本せいの関連本が大行列です

サラリーマン時代 6:30出勤の私には朝の連続ドラマは縁がなく 今回も観ては居りません
吉本せい と云えば 矢張り山崎豊子の「花暖簾」でしょうか 中学時代か高校時代か 若き日に読み耽った記憶があります
今回は 矢野誠一の作品を選びました

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何方かと云うと 登場人物への愛情たっぷりな矢野誠一が 吉本せい に対しては 可也冷たく筆を走らせています
エンタツ・アチャコや 桂春団治への熱き想いと比べると 完済芸能界への功績は認めるものの 強烈なやきもち焼き 吝嗇など彼女の裏面を暴き立てている感があります
笠木シズ子の夫は吉本せいの次男坊であったこと 更にはエンタツ・アチャコの漫才コンビは昭和6年から昭和9年の僅か三年九か月しかなかった(映画だけはその後もコンビを続けた) 更には彼らのコンビ解消は吉本せいの戦略だった等々 新たに知ったエピソードも数多く発見しました
晩年 せい が全ての功績を自分のものに仕立て上げていく様は 「成り上がりもの」に多くみられると 冷酷な批評も付け加えています
「花暖簾」を 強烈に意識しての評伝であるのかもしれません


by toshi-ohyama | 2017-11-11 06:12 | 幕張図書館 | Comments(0)



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