ラピスラズリブルー

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曙光を旅する

葉室麟の紀行文 司馬遼太郎の「街道をゆく」のようなものをという編集者の依頼に こういうものが書きたかったと快諾され朝日新聞の西日本版に連載されたもののようです

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最後まで地方在住の作家として 九州各地を巡る旅は 九州の偉人の足跡を辿り 葉室の記者時代から交流があり影響を与えた先人達を訪問する旅として続きます
若き日に筑豊文庫で著名な上野正信氏を訪ねた記憶が 蜩の記の主人公戸田秋谷のモデルであったことも明かされます
40年前に葉室氏が筑豊文庫を訪問した時上野氏と話したテーブルを眺め 彼の絶筆を手にして思わず嗚咽する場面は 読者の私までもが胸が熱くなります 

作中で心に残った文章を 少し書き写してみました

西郷隆盛は 何故薩長同盟を結んだのか

  薩摩藩の為に関門海峡の安全な通航を求めたのではないか

  当時長州騎兵隊は砲撃により(関門)海峡の封鎖を目論んでいた

  薩摩は 薩英戦争を経て英国との手を結びつつあった


国民すべての文化生活を支える電力需要であるから、一部地域住民の多少の被害は忍んで貰わねばならぬという恐るべき論理が出てくる-本当はこういわねばならぬのに-誰かの健康を害してしか成り立たぬような文化生活であるならば、その文化生活をこそ問い直さねばならぬと(原子力発電)

近代とは何だったのか、という石牟礼さんの問いは、自然と共に生きる者たちの暮らしや命が破壊されたところから発せられている(水俣病)


葉室麟という作家の原点を覗かせてくれ 且つ九州に埋もれている歴史上の人物を蘇らせてくれます

「無性に旅に出たくなる」一冊です


by toshi-ohyama | 2018-11-30 06:55 | 幕張図書館 | Comments(0)

バゲット・ビゴ

最近 ビゴのパンに夢中です
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バゲット・ビゴ 
ビゴさんのバケットの名前を冠したバゲットを買いました
「ビゴさんに作り方を教えてもらったバゲット 原料のフランス産小麦が高いので暫く作っていなかったのですが 暫くビゴさんを追悼して販売します 此のパンをビゴさんに捧げます」との 説明が添えてありました
とても 香りの高いバゲットです 是非とも定番にしてもらいたいものです


by toshi-ohyama | 2018-11-28 06:55 | 幕張食堂 | Comments(0)

柚子は九年で

「桃栗三年柿八年」の後は 「柚子は九年で花が咲く」と続くのだそうです

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葉室麟は 長く記者生活を送り50歳から執筆活動に専念した遅咲きの作家 彼なりの思いを「柚子は九年で」という言葉に託したのだと思います

「中年以降に小説を書く仕事に就いた人間には 時間に対する特別な思いがある いま切実に思う 時とはこれ程限られたものものなのか」
歴史を題材にした小説を書く意味を 彼は「十~二十万年前 アフリカに生まれた命が聖火リレーのように引き継がれて今ここに居たり 私がある 点滅を途切れさせることなく現在へとつないできた そのことを想うといのちの尊さについてさほどの説明はいらない なぜ人を殺してはならないのかという命題の答えも直ぐに出る 吹き消すにはあまりに惜しい」
「人生が実を結ぶというのは 六十歳を過ぎてからではないか」

葉室さんは 5度目の候補となり「蜩の記」で 直木賞を受賞します
此の随筆の中で 藤沢周平が彼と同じように記者生活を送っていることをあげ 彼が藤沢作品に強い共感を持っていたことを書いています
偶然にも此の随筆を読む直前に読んでいたのが 藤沢周平の「風の果て」 その小説の解説が此の随筆に取り上げられていることに驚きながら読了しました 
お勧めの一冊です
 

by toshi-ohyama | 2018-11-26 06:40 | 幕張図書館 | Comments(0)

岡倉天心

東京芸術大学構内に置かれた 岡倉天心像です 昭和6年 平櫛田中作

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明治31年に 天心は東京美術学校を追われます
天心が進めた性急な日本画への改革の姿勢が 守旧派の日本画家達から強く批判されたとのこと 未だ天心35歳 明治の偉人たちは 若くして大きな仕事をしていたようです

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些か不遜にも取られかねない要望です
考えてみると 追われた藝大の敷地内に天心の彫像が置かれるとご本人は想像されていたでしょうか...



by toshi-ohyama | 2018-11-24 06:29 | 幕張彫塑館 | Comments(0)

信長は何故葬られたのか

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久し振りの 安部竜太郎です

等伯で 直木賞を取る迄 随分ご苦労をされたようです

以下は この本で学んだことを メモ書きで


濃茶の作法

  茶道の濃茶作法は キリスト教の聖餐式から来るのでは

    まず先に菓子を 後に茶を

    聖餐式でも 先にパンを 後に葡萄酒を

    共同体の結束を確認する儀式

     (袱紗の作法も カトリックの儀式の中にあると読んだことがある)

信長と皇室

  自らの権威づけのためには 天皇からの承認が必要である

  大義名分

    戦国時代 下剋上により価値観は揺らぎ 唯一変わらぬ権威は 皇室しかなかった

  正親町天皇を退位させ 誠仁親王を皇位につけ自らも将軍に就任 誠仁親王を退位 自らの猶子とした誠仁親王の五の宮を天皇とし

  自らは太上天皇として朝廷掌握 信忠に将軍として政治を掌握させるという方針を考えていたのではないか

天正9年(1581)2月 イエズス会ヴァリニャーノ神父は 信長と内裏東側で開催された馬揃会場で信長と対面

  安土で交渉

  ポルトガルがスペイン(カトリック)に併合(1580)され スペイン国王は信長に

   1.明国征服の軍を出すこと

   2.英蘭(プロテスタント)との断交

       を要求したのではないか

  交渉は5か月にわたって続けられたが 破局に終わる

天正10年12月 ヴァリニャーノがスペインのマニラ総督に宛てた手紙

  日本布教は重要な事業

    国民は非常に高貴で有能 理性に従う

    国土は不毛にして貧しく 得られるものは少ない

    国民は勇敢で絶えず軍事訓練を積んでおり征服が可能な国土ではない

    スペイン国王が考えているシナでの事業には役に立つ

信長はスペインの要求を拒否し 総見寺に自らに見立てた石を置き 参拝させた

天正14年(1586)三月

  秀吉がイエズス会宣教師コエリョと大阪城で対面

  朝鮮に出兵し明国征服を告げる

    明国内に教会を建て布教を許すことを宣言

    この条件として 二艘の大型船を売却してもらうことを依頼している

    代金の支払いも約束しているが 九州征伐後秀吉と対面したポルトガル海軍司令官ドミンゴス・モンテイロはこの要求を拒否

    台風の来襲するこの時期に平戸から船を動かすことは危険と主張し譲らず

    これに怒った秀吉は キリスト教禁教令を発布

北野大茶会は 北野天満宮で開催され キリスト教徒が神社に詣でることが出来ないことを楯に 出席者がキリスト教と手を切ったことを証明させる

北野大茶会に出席しなかったものは 以後茶会を開くことを禁ずるとして 出席者に踏絵を迫ったことになる


by toshi-ohyama | 2018-11-22 06:12 | 幕張図書館 | Comments(0)

桃屋ですよ

「ごはんですよ は 桃屋ですよ」 三木のり平の懐かしいキャッチコピー

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TV番組で 江戸紫は あさくさのり ご飯ですよは あおさ海苔と使い分けて差別化を図っているそうです

元々 大人の味だった江戸紫を 家庭用に甘くしたのが ごはんですよ
更に甘く 子供も愉しめるように甘口にしたのが 甘いですよ です

小さな佃煮屋が どんどん大きくなって 今や老舗の一角に
三木のり平のTVCMの貢献もさることながら 常に新製品を出し続ける努力を怠らなかったことも 事業拡大に大きく寄与していることと思います
食べるラー油がブームになったとき(火付け役は ホテルオークラでした)直ぐに
追い掛けて商品を並べていました

単品売りに徹するのが 商売の基本とはいえ 桃屋の姿勢も見習わねばいけないのかもしれません


by toshi-ohyama | 2018-11-20 06:58 | 幕張食堂 | Comments(0)

いのちなりけり

「いのちなりけり」は 葉室麟の直木賞落選作です

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以下は この物語の中に出てくる台詞

人は生きて何ほどのことが出来るか 僅かなことしか出来はしない
山に苗を一本植え 田の一枚も作るぐらいのことかもしれない しかしその僅かなことをしっかりとやることが 大事なのです
人は何故死に 次々に生まれてくるのか
一人が僅かなことをやり遂げ 更に次の一人がそれを積み重ねていく
こうして 人は山をも動かしていく 
人は己の天命に従う限り 永遠に生きるのです
そう思えば死は恐れるに足らず 生もまた然りです

やがて 葉隠れに繋がる詞 葉室麟の凄さを感じました 

元々はお得意の九州鍋島藩の御家騒動に始まり 徳川綱吉 水戸光圀 古今伝授 将又 吉良上野まで登場し 物語の展開が錯綜するややこしい作品です
作品の評価は 敢えて避けたいと思います
巻末の解説で 縄田一男さんは五味康祐が生きていたら「俺は百年の知己を得た」と云うであろうと結んでいます
最早 五味に親しむ読者は余りいないのかもしれません  ふと 五味も読み直してみるかと思ったりしました
 
葉室は この作品で初めて直木賞候補となり その後5度目にして蜩ノ記で直木賞を漸く受賞します 長き戦いの日々の記念碑ともなる作品です


by toshi-ohyama | 2018-11-18 07:05 | 幕張図書館 | Comments(0)

GIN まさひろ

このブログ立ち上げのきっかけとなったkuma3こと 熊谷正宏先輩
そのkuma3と同じ名前の焼酎「まさひろ」は以前にもご紹介しました
此の酒を造っている比嘉酒造は いつの間にか「まさひろ酒造」に名前を変えていました
そのまさひろ酒造のGINを発見

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東横線の都立大駅前に6代続く老舗酒店に半世紀ぶりで訪店したところ ガラスケースの中に飾ってありました
まさひろ酒造は 沖縄糸満の泡盛酒造所
経営の多角化ということでしょうか チャレンジですね
色々挑戦して 我々を刺激し続けるkuma3を彷彿させます
お値段は高め...



by toshi-ohyama | 2018-11-16 06:44 | 幕張食堂 | Comments(0)

銀漢の譜

第14回松本清張賞受賞作 銀漢の譜

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葉室文学は 私を魅了してやみません
文春文庫版の第一作 
銀漢とは 天の川のことだそうです

葉室麟は藤沢周平の系譜を継ぐものとの話がありましたが この小説の登場人物は
下男のような 殆ど話の展開には関係ないものを除いて 27名を数えました
老人には 登場人物が覚えきれず メモを取りながらの読了となりました
そのつもりはなかったのですが 食事を兼ねた休憩をはさみ 一日で読破となりました
お勧めの一冊に数え上げます



by toshi-ohyama | 2018-11-14 06:51 | 幕張図書館 | Comments(0)

牛すき焼鍋膳

久し振りに吉野屋を訪ね びっくりしました
牛丼の他に 豚丼 鰻重 とメニューが広がっています
今回の注目は すき焼鍋膳 
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昔一度メニューに載ったのですが 手間がかかり過ぎるとのことで消えた商品でしたが しっかり良い商品に育てました 牛肉たっぷり ボリュームあります
敢えて文句をつければ 豆腐が薄っぺらい 野菜がカット野菜を使用しているので無味乾燥 汁が甘い...
牛丼ほどの感動は感じませんでした 一度食べればよいかな? リピートは しにくいです




by toshi-ohyama | 2018-11-12 06:31 | 幕張食堂 | Comments(0)



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