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ラピスラズリブルー

ザラメの量は

長崎に行って来ました
長年疑問に思ってきたことがあります
長崎名物と云えばカステラ 創業寛永元年(1624)福砂屋は長崎の老舗 
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長崎には文明堂もありますが 文明堂の創業は明治33年 中川安五郎が創業 その後 実弟宮崎甚左衛門が東京に進出していますので 東京では文明堂のほうが知名度が高いかもしれません

この福砂屋のカステラには 以下のような伝聞があります

  1.長崎のカステラは 東京で買うものと味が異なる
  2.長崎本店のほうが美味しい
  3.長崎のものは 底のザラメの量が多い
  
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此方が福砂屋長崎本店
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看板には カステーラとオランダ語風の表示がされています

さて私の疑問は 直接お店の方に聞くのが一番 帰って来た答えは以下の通りです

1.福砂屋のカステラは 一つ一つ職人が作りますので味が異なるかもしれません お客様の中には長崎の味が美味しいと云われる方が多いのも事実でございます

2.本店は長崎工場で作られたもの 東京は目黒に工場がございますので其処で作られたものをお出ししております
  長崎と東京で違うのは 水と卵だけでそれ以外の違いはございません
  長崎は地の卵 東京は千葉の卵を仕入れております
  工場毎に職人が居り手作りで焼き上げるので味の違いが生じるかもしれません

3.ザラメの量は 東京も長崎も同じでございます
  但し手作りのため 一つ一つ焼き上がり時に底に残るザラメの量は異なります この為に長崎の方がザラメが多いと云われることがあるかと思われます
  職人の技の違いと申しましょうか 一つ一つに違いがあることはその通りでございます

うーむ 何という見事な返事でしょう 

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此方が長崎製のカステラの底部

以前に比べると ザラメの量は減ったように思えます しっとりとした食感は 見事の一言に尽きます

更にもう一つ 質問してみました
大きいサイズと小さいサイズでは味は違いますか 此れは 「作り方が一緒なので同じです」との答えに納得でした
私の勤務する会社で発売する「クリスマスシュトーレン」は 大きいサイズと小さいサイズで材料の配合が違います 更に発酵度合いが変わるので味は異なります

虎屋の羊羹も 地方によって味が違うという伝聞が根強く残っています しかし虎屋は御殿場に工場があり全国で販売する羊羹を全て此の御殿場工場で作っているため
「味が異なるというのは お食べになるご本人の気持ちの差だと存じます」という答えを銀座の店でお聞きしたことがあります



ちなみに 此方が 文明堂長崎本店です

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今回は 店の前を素通りしただけでした







# by toshi-ohyama | 2016-10-02 12:21 | 幕張菓子店 | Comments(0)

お堀端の東京會舘は 建て替え中です

東京會舘は 會と舘という古い漢字を使っていることを今回初めて知りました
直木三十五賞作家 辻村深月(みずき)さんの作品 「東京會舘とわたし」は お勧めです   

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冒頭に 著者が登場し 東京會舘の副社長から資料を渡され 取材を始めるところから始まります 各章完結で話が進みますが 次の章に前の章で登場した人物が絡み 最後の章にもう一度 著者が登場するという面白い構成 東京會舘が辿った歴史を従業員と會舘のお客様で繋いでいきます
サービス業に携わる私にとっては ホスピタリティの教科書のような存在です
東京會舘が芥川賞直木賞の表彰会場であることを初めて知りました
著者 辻村深月も直木賞受賞者 格別の思いが伝わってきます


# by toshi-ohyama | 2016-09-30 18:28 | 幕張図書館 | Comments(0)

村上海賊の娘

和田 竜の新作 本屋大賞第1位 「村上海賊の娘」

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史実に忠実に書き込むことが 村上流なのだとか
吉村 昭のような 私情を極端に削り 史実のみを書き連ねていくのも一つの方法です
和田竜の文章は 歴史小説には少々不向きな現代語が時々現れて 興ざめな気分を味わわされることがあります
司馬遼太郎の「閑話休題」は 殆ど抵抗がなかったのに 和田竜の文章は小説の世界にのめり込んでいた意識を現実に呼び戻され興ざめする気がするのは私だけでしょうか
大変失礼ながら この小説は冗長過ぎます 2巻長くても3巻で充分...

この小説の中で考えさせられたこと 
浄土真宗の教えは「南無阿弥陀仏とさえ唱えれば誰でも極楽へ行ける」 しかしながら本願寺は「進めば極楽 退けば地獄」(進者往生極楽 退者無間地獄)と信者たちを戦闘に追い立てた 阿弥陀仏に帰依しただけで既に極楽往生を約束されていた信徒たちを 顕如を筆頭とする教団のエゴのために利用していくエゴを感じます
そもそも教団など必要ないはず
吉水の法難と云われる弾圧の時 親鸞は静かに流罪に甘んじています

余談ながら 和田竜と綾瀬はるかは 広島市の小中学校の同窓生だそうです


# by toshi-ohyama | 2016-09-24 06:54 | 幕張図書館 | Comments(0)

冤罪

田中角栄研究の総仕上げ ズバリ「冤罪」

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著者は 元衆議院議員 石井一氏
ロッキード事件の仕掛人をキッシンジャーと見立てて論陣を張っています その本人の写真を表紙に持ってきたインパクトは大きい
オイルショック後 資源外交に世界中を駆け回った角栄に対し 米国オイルカンパニーの利益が損なわれると田中の動きに待ったをかけるキッシンジャー
燃料資源の8割を中東オイルに依存する日本としてはメジャー以外に活路を求めるのは当然の帰結 「中東石油が引き上げられたときに米国はその分を供給してくれるのか」と角栄はキッシンジャーに迫ります キッシンジャーは一言もない
宮沢喜一以下歴代の通産大臣が交渉を纏めることが出来なかった日米繊維交渉は 佐藤栄作首相が沖縄返還を裏で密約し繊維交渉自体を難しくしてしまったとの説があります 曰く「糸で縄を買う」さもありなん
このときの田中角栄の見事な調整振りをキッシンジャーは 米国の利益にとって田中は極めて危険な存在と受け止めた その帰結がロッキード事件
トライスター問題はすでに決着し はるかに規模の大きなP3C問題が背景にあり 児玉は20億以上の金を受け取っている 多分それはP3C問題の顧問料であったと思われます

厚生労働省 村木厚子の冤罪事件で特捜部が自分たちで作り上げたシナリオに沿って追い込むために証拠の改ざんさえいとわぬ遣り口を見て 著者は犯人さえ挙げられれば何をしても良いという特捜のやり方を強く糾弾します
田中角栄を擁護に回ったおかげで落選してしまう石井一という代議士の自伝ともいえる作品です

# by toshi-ohyama | 2016-09-22 07:06 | 幕張図書館 | Comments(0)

契約満了

ヤマザキナビスコが 9月1日よりヤマザキビスケットに社名変更します
8月31日で 46年間提携してきたナビスコとの契約が満了したためです 

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大ヒット商品 RITZは ナビスコの現在の会社モンデリーズインターナショナルの日本法人が引き続き販売を続けるそうです

ベンツとヤナセ バーバリーと三陽商会 メンソレータム RICOLAも同じ 海外のブランドが日本への進出を考えるとき 新規参入の難しさから日本企業と提携しブランドの浸透を図ります
ある程度知名度が上がりブランドが定着した頃 業務提携を解消 利幅の大きい100%子会社を作って更なる拡販を狙います
業務提携を解消された日本企業は 大打撃を被ります

食物の場合 海外製品を日本で国内生産しようとすると 食材 水の違いから 同じ製品にするのは至難の業と云われます
渋谷のブーランジェリー「VIRON」は RETRODOR(レトロドール)というフランス産小麦を輸入しパリ本店と同じバケットを焼こうとしましたが全く膨らまない
国内でも同じ 軽井沢浅野屋の浅野社長に直接お聴きした話でも 軽井沢と全く同じレシピで焼いても東京ではパンが膨らまないそうです
RITSも 日本の小麦粉は米国のものより幾分粒子が細かく 製粉会社と小麦粉から共同開発 漸く納得の行く製品を作り上げたと話されています

このような血の滲むような努力を重ねて作り上げた製品が 提携解消に依り販売出来なくなってしまいます 
企業人として 複雑な気持ちを拭えません

ビジネスの論理からすると 海外進出当初は地元の販売力のある企業と提携し ある程度定着したところで業務提携を解消 
しかし100%子会社による直接販売によるほうが利益率は高くなる 判りやすい論理です
しかしながら 商品を取り上げられた地元企業 下請け等の混乱は半端なものではありません お互いの力関係と云ってしまえばそれまでですが





# by toshi-ohyama | 2016-09-20 07:14 | Comments(0)



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