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ラピスラズリブルー

若冲 澤田瞳子

澤田瞳子は2015年 この作品で直木賞候補となっています この時の受賞作は東山彰良の「流」 
その後何度も候補となり 2021年五度目の候補作「星落ちて、なお」で漸く直木賞を受賞します
若冲 澤田瞳子_d0338347_11220291.jpg
選考委員の皆様には 今一つお気に召さなかったようですが 私は素晴らしい作品だと思います
歴史学者は 史実を解き明かす役割を持ちます 歴史小説家は 歴史を題材に「人」を浮かび上がらせます
若冲を再発見したのは アメリカ人収集家 ジョー・プライス 世に送り出したのは 辻惟雄(のぶお)・東京大名誉教授ということですが 若冲を描いた作家として澤田瞳子も歴史に名を刻んだように思います
若冲が妻帯したと云う記録は一切ありません 作品の脇役 市川君圭は実在の偽作画家 作中の若冲の妻は 澤田瞳子の創作です
若冲の作品に対する観方は 観る者によって異なることは間違いありません その意味で澤田の見方も一つの見解と云えるでしょう
絵画の鑑賞者は 作品の中に自分の人生を映し出し 感動を覚えると考えます
その意味で 小説も又その作品の中に自らの人生を映し 感動をするものでありましょうから 作品への評価が揺らぐことも致し方ないことと考えます 私にとっては直木賞受賞作品以上の価値を見出しました






# by toshi-ohyama | 2025-01-29 11:57 | 幕張図書館 | Comments(0)

牡丹散る 森明日香

「写楽女」で角川春樹小説賞を受賞した森明日香さんの受賞第二作
未だウィキペディアの記載も有りません
牡丹散る 森明日香_d0338347_18050136.jpg
著者は 弘前大学卒 仙台在住 湯河原文学賞なる賞を受賞しているのですが 受賞作品 お稽古日和はどうも出版されていないようです
ケータイ小説は1万2千枚も書いているそうです 年齢は50代半ば
本作は 絵師物語第二弾 題名の牡丹は 作品の最後で明らかにされます
どうやら この小説は続き物として 続編が出て来るらしいです





# by toshi-ohyama | 2025-01-22 14:58 | 幕張図書館 | Comments(0)

今年の市田柿

長野県飯田市の農家から市田柿を送って貰っています
今年の市田柿_d0338347_11200548.jpg
飯田では 年々 市田柿を作る農家が減って来ているようです 
更には 毎年の異常気象の影響で 柿の栽培 市田柿の製造が難しくなっているようです
スーパ-の店頭に並ぶ市田柿は 毎年高騰 しかも品質は年々落ちていくように感じます
農家直送ですので 価格は市価の半額で入手出来ますが 沢山は注文出来ません
冬の果物として 欠かせない味です



# by toshi-ohyama | 2025-01-08 06:43 | 幕張食堂 | Comments(0)

国萌ゆる 平谷美樹

小説と銘打った原敬の伝記です
国萌ゆる 平谷美樹_d0338347_17245212.jpg
「柳は萌ゆる」で盛岡藩家老楢山佐渡を描いた著者が 佐渡の遺志を継いで国政の道を突き進む原敬の生涯を「小説」として作品化しました
原本となったのは 原敬自身が遺した日記と思われます
小説において 情景や主人公の心情を散りばめるのは 常道であります
藤沢周平の情景描写は 藤沢の故郷山形の四季を見事に写し取っています 若き日には誠に冗長で話の展開を邪魔する描写としか感じられませんでしたが 老いてから再び藤沢の小説を読み直すと 失われた日本の自然をこれ程見事に写し取った文章は見当たりません
この小説で 著者は原敬を丸裸にして人間原敬に迫ったようですが 著者の意図が充分に表現されたとは残念ながら感じられません
政治家原敬は 故郷の英雄楢山佐渡の後継者たらんと正解を目指します 陸奥宗光 伊藤博文に師事し 政敵大隈を倒し山縣を誑し込み
首相の座を勝ち取ります 楢山佐渡は多くの柳の若芽を開花させましたが 果たして原敬は藩閥政治を倒したのち 後継たる政治家を育てたでありましょうか
薩長藩閥に徹底して対抗し政党内閣を立てました 平民宰相と云われ士族を捨て一切の叙勲を受けなかった原ですが 彼に続くものは果たして育てられたのか...
幾つかの疑問が読後に残ります その意味で知的興奮を誘う秀作とも云えます





# by toshi-ohyama | 2025-01-06 11:19 | 幕張図書館 | Comments(0)

柳は萌ゆる 平谷美樹

戊辰戦争と云えば 上野か会津か函館の闘いが思い起こされます
奥羽越列藩同盟は薩長の会津への仕打ちを私闘と断じ 長州藩同様 会津藩の謝罪を受け入れるよう申し入れをします
盛岡藩楢山佐渡が幕末から明治の変動期に対処した藩政を綴る大作です
柳は萌ゆる 平谷美樹_d0338347_10503888.jpg
実は 平山美樹の原敬の伝記小説「国萌ゆる」を読み始めた処 前段となる「柳は萌ゆる」を知り 読み始めました
742頁の大作です 平山氏の作風は 史実を詳細に調べ 克明に歴史を追掛けるもので兎に角長い 話が諄い
しかしながら その諄さが結末への伏線となっていることに最後に気付きます

楢山佐渡は 最終的に斬首され 歴史から忘れ去れらていますが よく歴史を掘り起こして呉れました





# by toshi-ohyama | 2025-01-04 17:44 | 幕張図書館 | Comments(0)



蒼き空を目指して

by toshi-ohyama
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